受け継がれた志 ―
はじまりは石蔵から(1958年)
林光三商店の原点は、1958年(昭和33年)、
たった一人の若き商人が農家の石蔵を借りて始めた、
資本金17万円の小さな商いでした。
創業者・林光三は、栃木県佐野市に生まれ、
戦後の混乱が残る時代に、兄弟の多い貧しい家庭で育ちました。
中学卒業後に東京での菓子製造業を経験するも挫折し、実家に戻ります。
人生の転機となったのは16歳。宇都宮の菓子問屋「千歳屋」に奉公したことでした。
「ここで成功するんだ」という決意を胸に掃除洗濯靴磨き、人が変わったように下積みを重ね、10年後に独立。
宇都宮市内の石蔵を借りて「林光三商店」を興します。
「信用こそすべてだ」と、銀行への日参と顧客への訪問を欠かさず、
大手には真似できない独自商品づくりに着手。初期からPB(プライベートブランド)にも挑戦していました。
その後、石蔵を出て自らの資金で土地を購入し、店舗を構えた光三の背中には、
“お菓子を通して人に喜ばれる”という一貫した志がありました。
